3. 憂鬱な時間
ダリヤとの初対面の後、暫く私はダリヤの事が頭から離れずボーッとした毎日を過ごすのであった。大学のゼミの教授に相談したりもした。しかし、教授に何かが出来るわけは無い。
何せ「ダリヤの事が好きになった」という感覚では無く、「オーラに憑りつかれてまった」と言った方が正しい表現だったと思うので、自分でも何が何だか分からなかったのである。
こんな時間が確か1月半くらいは続いたと思う。
もちろん、ダリヤの連絡先など知らない。というか初対面の時は本当に来日したばかりだったのでダリヤは携帯電話など持っていなかったのである。
ダリヤの顔や、ダリヤがファミレスで話していた「なぜロシアで日本語勉強していてその発音になる??」という、関西弁と津軽弁をごちゃまぜにして標準語に戻したような日本語が頭の中グルグルする。。。